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2006年8月31日 (木)

よるくま

酒井駒子作 偕成社

発行年 1999年 1050円Yorukuma

またまた、酒井さんの作品です。

ママ、あのね、昨日の夜ね・・・

寝ている男のところに真っ黒なくまの子がやってきます。起きたらお母さんがいなかった・・・って。

そして、町中、空までお母さんを捜しに行く、夜みたいにまっくろまっくらなよるくまとボクとの一夜。

公園やらはちみつやさんやらもう一度家に帰って探したり・・・やっぱりお母さんはいなくてとうとうよるくまの目には涙が・・・

ようやく見つけたよるくまのお母さんはお空でお魚釣りしています。お星様を餌に。

そして、くまの子をだっこして

ああ、あったかい、おまえはあったかいねぇ。今日はこのままだっこして帰ろう・・・

絵は、酒井さん独特の黒をベースにあざやかな色が描かれています。

ドアをあけたら立っているよるくまのかわいらしさ・・・健気さ。一生懸命探すよるくまの真剣なまなざし、そしてママに会った時だっこしてもらう時泣きじゃくる顔。家に帰るときの安心した背中。

文章は、ひとつひとつの言葉が分かりやすく、印象的です。お母さんの声で読むと、きっと子どもはあったかい気持ちで眠りにつけるのです。

読んでもらう子どもは、いつもそばにいるお母さんがいなくなって泣いたりすることもあったはず。そのときを思い出してかどうかは分かりませんが、すんなりよるくまや男の子の気持ちに入っていけるのではないでしょうか。

読んであげる親も、自分が子どもの頃隣で寝ていたはずの親がいなくって悲しかった思い出がよみがえってきたり・・・、ほんの少しの間でも子どもと離れて、戻ってきたときに抱きついて来た子どものことを思い出したり。

読みながら子どもをいとおしいという気持ちがふつふつと沸いてくる・・・あったかーい気持ちにさせる絵本です。

余談ですが・・・

我が家のすぐそばの公園がよるくまに出てくる公園に似ていたり、よるくまのおうちの感じがうちの感じによく似ていたり(なんとトイレの壁紙の色もオレンジでおそろいです)

とっても不思議な縁を感じます。

明日もきっと良いことがたくさんあるからね・・・

だから今日はもう おやすみ

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2006年8月29日 (火)

金曜日の砂糖ちゃん

Photo 酒井駒子作 偕成社

発行年 2003年 1260円

ネット通信でもご紹介した、大人向け絵本です。

「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」3篇を収録しています。

独特なタッチで描かれた黒い筆、その中にうかびあがる鮮やかな色彩

週末への境目の金曜日と砂糖ちゃんという甘い名前

すべてが大人のわたしたちを違う世界へと導いていきます。

あたたかで 気持ちのよい 午後です。 女の子が ひとり 眠っています。

本のページをめくっていくうちに、子どもの頃のあったようななかったような記憶?夢?が心にぼーっとうかんできます。幻想の時間へといざないます。

草の匂い、風の匂い、太陽の匂い、夕方の匂い、そして・・・・子どもの匂い

そういえば、子どもの頃は今とは違う時間が流れていたような・・・気がしてくる。

この本を読むと、自分のまわりの時間がゆったり流れてくるのです。

同じ時間を過ごしていても大人の時間の移り変わりと子どもの時間の流れ方は違うのかもしれない。

それを分かって素敵な子ども時代をすごさせてあげるのは大人の役目かもしれません。(自己反省も込めて・・・)

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『ぐりとぐら』に見る子どもの一日

ぐりとぐらとくるりくら

なかがわりえこ作 やまわきゆりこ絵 こどものとも傑作集

福音館書店Photo_9

発行年1992年 ¥840

おなじみぐりとぐらのお話。森の中でお弁当を食べていたら、手の長いうさぎ(くるりくら)とお友達になって、ぐりぐらも木に登ったり、雲に乗って空を旅したり。とっても楽しいおはなしなんですよ。

くるりくらの手はもともと長いわけではなくて、おまじないで手が伸びたり縮んだり・・・のようです。子どもってそういうのが大好きですよね。

さて、ぐりとぐらのおはなしですが、どの本もすごく朝早くからいろんな出来事があります。

この本も朝から、畑のチェックをし、ぐりぐらサンド・ぐりぐらサラダを作り、森にピクニック、くるりくらと出会って、くるりくらのおうちまで行って、さらにおやつを食べる・・・まだまだ午前中は終わらない様子。

いったいぐりとぐらは朝何時から起きているんでしょう??朝4時起き??

作者の中川さんがおっしゃるには“子どもの一日なんて午前中で終わりのようなもの。あとはオマケのようなも。午後は昼寝したり、夕方はぐずぐず言ったりケンカしたりお母さんにひっついてみたり”だそうです。

だからぐりとぐらも朝から早起きしていろいろ楽しいことをしているのだそう。朝からたくさん楽しいことがあったら、きっと子どもの毎日は充実しているのかも。

そういえば、うちの子も毎日のように夕方は意味もなく子ども同士けんかしたり、ぐずぐず言ってみたり。お母さんも疲れているのかついカッとなってみたり・・・。

デモネ・・・夕方は子どもはそんなもんなんだから・・・と、中川氏の言葉を知ってから思うようになりました。一緒になって怒っていても仕方がない、おもしろい話で笑わせたり絵本を読んでみたり、ゆったりした気持ちで行こうかしら・・・と少し思うようになってきた今日この頃です。

もしかして、ぐりとぐらも夕方になったらケンカしていたりするかもしれませんよ。

そう思うとぐりとぐらもまた一層いとおしい存在になりませんか?

もう一つぐりぐらファンにはオススメの本

ぼくらのなまえはぐりとぐら-絵本「ぐりとぐら」のすべて 福音館書店母の友編集部著

ぐりぐらの秘密やおもしろい話、心あたたまるエピソードなど、CDにはなんとぐりぐらの歌(一般の人が曲を作ったものが100曲)が収録されています。 

(西宮市図書館にもありました。ぜひ借りてみてね!)

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2006年8月26日 (土)

絵本で私が伝えたいこと

自分自身、とっても不器用な人間だと思います。

中学生の頃からずっと人付き合いが苦手で、生きていくことが難しかった。

人から見れば、ただの勝気な女の子、いつも幸せそうな女の子に見えていたとは思いますが・・・。

今でも、やさしい夫、かわいい二人の女の子に囲まれ一見さぞかし幸せそうに見える・・かもしれません。

私自身、親(特に母親)とは言葉では言い表せない確執があります。どうしても素直に好きになれない・・・その原因は母にも私にもあるんだと思いますが。

それで、自分自身が女の子を育てることにすごく不安感や戸惑いがあります。

子育てを始めてから、たくさんの心に迷いを持つ人と出逢いました。自分自身も迷いながらも前を向いて歩いていっている段階ですが、そんな人たちに、絵本を通じて人生や子育てが楽しくなるお手伝いが出来たら・・・。

今はそんな気持ちで絵本講師の道を歩んで行こうと思っています。

このブログで少しでも多くの人たちが心癒されることが出来る日を目指して・・・がんばりますね!

私の人生の師匠からのメッセージ

生きていくことって、自分のとらえかた自体でいくらでも変わってくる。人生は難しく生きることは苦労に満ちている、と思えばきっとそういう人生になるのだろうし、人生はシンプルで生きることは楽しい、と思えばそういう人生になるんじゃないかと思う。

頭では分かっていても、それが出来ないのが現実・・・でも脳や心を解き放って皆さんが楽しい人生を送ることができますように!

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2006年8月24日 (木)

ごろはちだいみょうじん

中川正文作 梶山俊夫絵Gorohachi  福音館書店

ごろはちだいみょうじん いうても、

かみさんのことやない。

たぬきのはなしや。

なんと・・・関西弁の絵本です。

ある村に、村人から‘ごろはちだいみょうじん’と呼ばれているたぬきがいます。

きつねとちゃうで・・・たぬきや・・・。義理深い几帳面なたぬきです。

日本では古くからきつねもたぬきも私たちの身近な存在でした。

きつねは狡猾であったり、性悪だったり、神秘的なイメージですよね。きつねを題材にした絵本もたくさんありますね。

たぬきは親しみ深い、こっけいであったり、人を騙したりしてもなぜかちょっとぬけてる・・・にくめない。

そんなたぬきを存分に味わえる一冊です。関西弁の文章がたぬきを一層きわだたせています。

絵本講師の勉強をしているとき、中川先生にこの本を読んでいただく機会がありました。

とてもおもむきある話し方で、おもしろくもおかしくもあり、また・・泣けた。

今でもその時の読まれた声はくっきりと脳裏に焼きついています。

この本に限らず、絵本は誰かに読んでもらうのが一番だなぁ・・・と思います。つくづく子どもがうらやましい。だから、世のお母さんにはぜひぜひたくさん絵本を子どもに読んでもらいたいです。

へたくそでも、たどたどしくても、自己流でも、自分が楽しみながらその本に熱中して読んであげる・・子どもたちにとってそのときの事は大人になっても、絵本のあざやかな色彩・お母さんの声とともにその時の空気・匂いまで思い出されるのではないでしょうか。

読んであげる目安 4歳から

また、中川氏の著書が発売されました。Nakagawa

長く絵本とのかかわりを持つ中でのおはなしは、絵本講師のみならず、絵本と親しむ人すべてに読んでもらいたいな。

詳しくはこちらをご覧ください

http://www.holpforum.com/book/n01.html

コメントもよろしければお寄せください。また、どんな絵本がいいの?などお問い合わせはメールでお待ちしています♪

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秋のオススメ・・・14ひきのおつきみ

いわむらかずお 作 童心社Photo_8

皆さんもご存知の“14ひき”シリーズの紹介です。

おとうさん おかあさん

おじいさん おばあさん

そして きょうだい10ぴき。

ぼくらは みんなで

14ひきかぞく

で、はじまるおなじみのお話です。にちなんでおつきみ・・・。

お月見って実際皆さんされたことありますか?私はありません。

子どもの頃よくサザエさんなどでお月見をやっていて、“わたしもやってみたいなぁ”なんて思っていました。

14ひきのおつきみは、いつも住んでいる木のてっぺんにのぼっていきます。

お手製エレベーターやはしごを使って、みんなで木に登り、お月見台を作る。

よいしょ、よいしょ、と、お昼のうちから準備して、夕日・・夜・・月

そこにはとてもゆっくりした時間が流れています。

いつもならがいわむらさんが書かれた木や葉っぱ秋の虫たちのタッチはあたたかい。特に、夕焼けの赤、夕暮れから夜にうつる色のうつくしさ。

おじいさんや小さな子たちのねずみの表情が生き生き描かれています。えっ、そうだ、これってねずみだったんだよね、と思うほど、ねずみたちには親しみを感じます。

下から書かれた木の構図や、皆が木に登っていく絵など、とても臨場感あふれるなぁ・・・

でもやっぱり主役は月ですね。ようやく出てきたまんまるのお月様は輝いていて透明でやさしく気高い。

ねずみたちはお月様に実りを感謝しおつきみだんごを食べてたのしい月見パーティです。

ねずみたちは、そのまま、そこで眠ってしまったのかな??

ちなみにうちの娘はくんちゃんが好きです。私はとっく んが好き。皆さんもお気に入りのねずみちゃんを見つけるとまたそれで違った楽しみもあるかもしれませんね。

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2006年8月22日 (火)

さくら子の誕生日

宮川ひろ 作 こみねゆら 絵 童心社Photo_5

“みごも栗”という不思議な木に名前の由来のあるさ くら子という小学生の女の子のお話

台風の日に倒れかけた栗の木が一本。その木は折れてしまいましたが、何とか下のほうは栗の実をみのらせていました。そして何年かたったとき、折れた木のてっぺんから桜の木が生えたそうです。

栗の木が桜をみごもる・・・そういうわけで“みごも栗”と言われ、赤ちゃんを授かりたい人が訪れるようになったそうです。

さくら子には、重大な出生の秘密があったのですが、この桜の木の風景とともに、この絵本では淡々と描かれています。

赤ちゃんが生まれることや、人を育てるということ、それは神様がくれた奇跡なのかもしれません。人と人とが愛し合うこと、命が生まれること、縁あって一緒に暮らすことはちょっとしたタイミングやすれ違いで違ってたかもしれません。

そう思うと、今ある自分や家族、そして周りの人とのつながりの奇跡を感じざるを得ません。血のつながりや国籍や性別、すべて関係なく、自分とかかわりのある人と誠実に向き合いたい・・・なんてね、少し堅くなっちゃいますが、そう思います。

そして、本当の優しさには強さが隠されているのだな、と。

この本は、こみねゆらさんのやさしい思いやり一杯の絵が、お話とともに私たちにすがすがしい風を吹かせてくれます。

“みごも栗”の木は本当に実在する木だそうですよ。

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2006年8月18日 (金)

ぐるんぱのようちえん

Photo_1 西内ミナミ作 堀内誠一絵 福音館書店   

汚くって一人ぼっちで時々泣いている象のぐるんぱが自分の居場所を探す旅です。

最初に仲間の動物たちがぐるんぱを勇気付けて送り出してくれるところも印象的です。 ビスケットさん、お皿やさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場、どこへいっても失敗ばかり、でもへこたれずにがんばっているぐるんぱ(時には泣きそうになったりもしますが)

最後にたどりついた場所・・・たくさんの子どもたちがぐるんぱとぐるんぱの幼稚園を必要としていてくれました。子どもたちがいきいきお皿のプールで遊び、靴でかくれんぼ・・・読む人を幸せな気持ちにしてくれます。

読んでいる大人にも、自分の居場所はどこだろう?としみじみ人生を考えさせてくれる絵本です。作者の西内氏もちょうどこの本を執筆する時1回目の転職を終えたばかりで、「これからのわたしはどうなるんだろう?」と不安に思っていたそうです。でも明るい性格なので「一生懸命やっていればなんとかなるさ!」と・・・だからハッピーエンドなんですね。

お母さんになったばかりの西内氏が手がけた本には、やっぱり大変そうなお母さんも出てくる。これから始まる育児という未知の世界への緊張感が伝わってきます。

絵を担当された堀内氏は、大きな大きな象~、なわけですから、絵のタッチはとてもダイナミックです。表紙でじーっとみつめる無垢な象の目が、子どもを・・・大人を・・・ひきつけるのでしょう。

子どもだけではない、大人にも楽しんで欲しい絵本です。

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2006年8月17日 (木)

はじめに・・・

はじめまして、イブかなこです。

子どもが生まれてからたくさんの絵本と出会いました。楽しく笑ったりびっくりしたり、時には泣いたり・・・。そんな感動は子どもが私のもとに来てくれたから味わえたのだと思っています。私のふたりの子どもたちは絵本という宝物を私に持ってきてくれたのです。

今、世界はどうでしょう?戦争、飢餓、病気・・・犠牲になるのはやはり子どもと女性です。私には何が出来るんだろうか・・・と考えるとき、やはりそこには絵本があります。

いつか、自分の子どもだけでなく遠く離れたところに住む泣いている子にも絵本を読んであげて笑顔が戻ったらいいな・・・なんて思っています。

今アフリカや中東に行ったり、なんてことは出来ません。だから地道に・・・絵本の楽しさ、絵本が伝えてくれるメッセージをここで伝えられたら、と思っています。

NPO法人 「絵本で子育てセンター」絵本講師 イブかなこ

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