2007年2月11日 (日)

あな

谷川俊太郎作 和田誠 絵 福音館書店Photo_72

1998年こどものとも傑作集 840円

不思議な絵本です。

あな

にちようびの あさ、 なにも することがなかったので、 ひろしは あなを ほりはじめた。

いろんな人があなを掘るひろしを見に来ます。

掘ったあなに入ってみたら、空が青く高く見えました。

あなから出てみて、またひろしはあなを覗いてみます。

そして一日が終わる・・・シンプルなお話。

さてさて、皆さん穴を掘って中に入ったことありますか? ほとんどの人はないと思います。

でも、穴の中に入ったらどんな感じでしょう?

入らなくても、お砂場で小さな穴を掘るだけでも、なんだか落ち着いた気持ちになりますよね。

実は今日伊丹市立美術館で谷川俊太郎先生の講演会があり、楽しいお話を伺いました。

その講演の中で“穴は人間にとって胎内を思い出させるものだ”とおっしゃっていました。

なるほど・・・だから落ち着くのかもしれません。

谷川先生独特の哲学的な文章と、和田誠さんのシンプルな絵が、とてもマッチしている作品です。

絵本を通じて、つめたい土のあの感触・・・静かな空間(これは想像ですが・・・)を感じることが出来ます。

あなを掘るという人間の深層心理の奥に響くことは、子どものアンテナにひっかかるようで、子どもも何度も読んで!となるでしょう。

そして、子どもだけにはもったいない、大人もじっくり読んで欲しい一冊です。

表紙はあなを穴の中から見た絵、裏表紙は地面からあなを覗いて見た絵。

“あな”というからには、奥の深い作品です。

あなたもじっくり穴を掘ってみませんか?

読んであげる目安 4歳から

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2006年12月30日 (土)

チビたちの大好きな絵本(2006)

今年も余すところあと2日となりました。

今回は、ちょっとプライベートもからんで・・うちのチビたちの大好きな絵本2006をお伝えします。

お姉ちゃん(2002年生まれ・4歳)のお気に入り

1才の頃より抽象的なものよりお話好きな彼女。0歳児から寝るときのお供は“星の王子さま”や“ちいさいモモちゃんシリーズ”だった。そんな彼女が4歳の時に気に入った本たちは・・・

バムとケロ シリーズ 島田ゆか作 文溪堂 Photo_56

マンガチックな絵はどうかな?と思いつつ、お話がおもしろかったり、いろんな探し物があるのがお姉ちゃんのお気に入り。『バムとケロのおかいもの』と『バムとケロのそらのたび』が大のお気に入りです。

マドレーヌ シリーズ  ルードウィッヒ・ベーメルマンス作 Photo_57 

福音館書店・BL出版など

マドレーヌちゃんは自分の等身大に感じるようで、とても気に入っています。勇敢でがんばり屋さんなマドレーヌから勇気をもらっているのかな。

キップコップシリーズ マレーク・ベロニカ作  風濤社Photo_58 

とちのみ坊やのキップコップのお話。クリスマスのお話(キップコップのクリスマス)や夫婦となったティップトップとの赤ちゃん探しのお話(キップコップとこどもたち)が大好きでした。

いもうとのにゅういん 筒井頼子作 林明子絵 福音館書店Photo_59 

この本を読んで“妹(自分の)はいつ入院するの?”と聞いてしまうお姉ちゃん。入院した妹に何かプレゼントを持って行きたいお年頃・・・。

まほうのえのぐ 林明子作 福音館書店Photo_65

お絵描き好きにはたまらない一冊。 絵本の中の出来上がった絵をじーっとみて、“どうやったらこんな風に出来るかな?”とふんふんじっくり観察していました。

そのほか・・・

『旅するベッド』バーニンガム作 長田弘訳 ほるぷ出版

『マウイたいようをつかまえる』ピーター・コセージ作 浜島代志子訳 偕成社

妹のお気に入り(2004年生まれ、2歳)

1歳代は絵本をじっとして読めなかった妹も、すっかり絵本好きになりました。今回は読んでもらうというよりは・・・自分で読んじゃってる絵本をご紹介。なぜか筒井頼子さん&林明子さんシリーズが大のお気に入りな彼女ですが・・・。

はじめてのおつかい 筒井頼子作 林明子絵 福音館書店Photo_60

“にゅうにゅうくださ~い”といいながら読む一冊。冒険ものがすきなのかな?はっきりした絵が大のお気に入り。

こんとあき  林明子作 福音館書店Photo_61

“こんたーきー”といいながらこの本を持ってきます。かわいいあきちゃんと、ぬいぐるみのこんが大好き。来年は電車に乗ってこんとあきの舞台に行ってみようと思っています。

ぐりとぐらシリーズ 中川季枝子作 山脇百合子絵 福音Photo_64 館書店

お姉ちゃんも大好きだけど、妹もだーいすき。特に『ぐりとぐらとすみれちゃん』のかぼちゃをダイナミックにボーンとやっちゃうところが好き。

そのほか・・・

『パパお月さまとって!』 エリックカール作 もりひさし訳 偕成社

『とんことり』筒井頼子作 林明子絵 福音館書店

二人のお気に入り

寝るときに持ってくる絵本・・・定番はこれでした

よるくま 酒井駒子作 偕成社Photo_62

ねるときにはやはりこれですね。お母さんを探すよるくまちゃんと男の子、ドキドキ・・しながら最後にママと会えた時には涙が。

“おまえはほんとうにあったかいねぇ”という母親ぐまのやさしさが絵本を読みながら伝わってくる一冊。

ぐるんぱのようちえん 西内ミナミ作 堀内誠一絵 福音館書店Photo_66

どこへ行っても失敗ばかりのぐるんぱも・・・最後には子どもたちをハッピーにさせる。そんな一冊を今日も読み、“素敵な明日”を願いつつ一日を終わりました。

実は私が大好きな一冊で、がんばっているぐるんぱからたくさんパワーをもらいました。いつも元気づけてくれてありがとう!

今年もたくさんの絵本と出逢い、たくさんのハッピーをもらいました。また、絵本を通じてたくさんの人と出逢い、皆さんからもハッピーをいただきました。本当にありがとうございます。

2007年も、皆さんに少しでも多くの絵本を紹介できますように・・・。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。そして、皆さんよいお年をお迎えください。

2006年12月30日 イブかなこ

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2006年11月23日 (木)

ねずみくんのクリスマス

なかえよしお作 上野紀子絵 Photo_40

発刊年2003年 1050円

もうすぐクリスマスですね。おうちにツリーが飾られたり・・・なんて声もちらほら聞きます。

ねずみくんのクリスマス、おはなしはとっても簡単で、絵もかわいらしいので1歳半を過ぎた子どもさんなら楽しんでくれると思います。もちろん幼稚園児たちも、ねずみくん大好きなんですけれどね。

ねずみくんやそのお友達、みんなが自分より小さいお友達のツリーは“ちいさいちいさい~”と言って、自分のクリスマスツリーの自慢をします。

そして、ねみちゃん(ねずみくんのお友達、女の子)のツリーは本当に小さくて・・・でもそれには素敵な訳があったのです。

絵本の世界は、今取り立たされているようなイジメの世界とは違う世界です(弱肉強食なお話や、イジメを題材にした絵本などもありますが・・・)

ねずみくんシリーズ11ぴきのねこシリーズなど、皆、きれいな心を持っている主人公がたくさん出てきます。ひとことで言えば仲良しの仲間たち、という言葉でいいつくされます。

もちろん、現実に生きていけばそんな甘い世の中ではない・・・ということは重々承知なんですが。

絵本は“おはなし”の世界ではありますが、絵本作家は現実をしっかり見据えて作品を作り上げています。

そして、そんな絵本を子どもは心に深くきざみつけ、心の土台を作り上げていくのでしょう。

ぜひ、小さな頃からたくさんの心がきれいになる絵本を読んであげてほしいと思っています。

個人的には“ねずみくんとホットケーキ”が好き。ねみちゃんが奮闘して大切なお友達に素敵なホットケーキを焼いてくれます。Photo_41

読んであげる目安:2歳~

サンタクロースを信じることがとっても大事だと言う話も、また別の機会に・・・。

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2006年11月13日 (月)

おおきなかぶ

 A トルストイ 絵 佐藤 忠良 訳 内田 莉莎子 福音館書店Photo_33

発刊年 1966年 780円

急に寒くなりましたね。

今日のご紹介は“おおきなかぶ” すごく有名な絵本です。一度は読まれた人、知ってる~なんて人は多いはず。

エプロンシアターなどでも見たことがあります。

庭にうめた大きなカブを、おじいさんが“うんとこしょ、よっこいしょ”ひっぱって、抜けない抜けない

おばあさん、まごむすめ、いぬ、ねこも手伝って・・・。っていうお話です。

大きなカブの絵は子どもにとってもすごく楽しいものです。絵本のページに入りきれないカブの大きさがすごいっ。

もちろん、抜ける~抜けない~は子どもにとってもハラハラドキドキ。

また掛け声“うんとこしょ、よっこいしょ”もすごくいいですね。

まだ言葉を良く知らない子どもにこういうインパクトの強い絵本を読んであげることは“鮮明に脳に言葉を刻み込む”ことになるのではないでしょうか。

お布団を引きながら“うんとこしょ、どっこいしょ”

坂をのぼりながら“うんとこしょ、どっこいしょ”

自転車をこぎながら“うんとこしょ、どっこいしょ”

自然とそういう言葉が親も子も出てくるような暮らしにしたいですね。1~2歳の子にとってもこの絵本を通じて、掛け声が大変身近なものになるようですよ。

また、おおきなかぶを読んだあとはぜひ“かぶのスープ”もオススメです。

絵本で読んだカブでこんなおいしいスープが出来るんだよ、と、普段食べなれない食材も絵本を介して親しみ深いものになります。絵本を通じてお料理を通じて2倍に心もあったか~くなれる、冬にオススメの一冊ですよ。

おおきなかぶはたくさんあれども、特にこの福音館のものが一番絵も文もオススメです。

読んであげる目安 3歳から~

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2006年10月30日 (月)

にゅーっするするする

長新太作・絵 福音館書店Photo_30

発刊年 1989年 780円

『ごろごろにゃーん』、『つきよのキャベツくん』などでおなじみの長新太さんの作品

オレンジ色の海から黄色い手が一本出てきて、“にゅーするする”といろんなものをひっぱったり出したり。

ダイナミックな絵とともに、シンプルな言葉が子どもの想像力を沸き立たせます。

子どもはそういうシンプルでおもしろい絵本が大好きです。

でも、飛行機や自動車を海にひっぱってしまうなんて・・・ちょっと大人の私から見たらシュールに感じますよね。

読んであげる目安 2歳から

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2006年10月13日 (金)

11ぴきのねこ ふくろのなか

馬場のぼる 作 こぐま社Photo_26

発刊年 1982年 1260円

今日はちょっとおもしろい絵本です。

馬場のぼるさんの11ぴきシリーズ、色々ありますが我が家にあるのはこの一冊。

ちょうど今年の春 人形劇団クラルテさんがこの『11ぴきのねこ ふくろのなか』を上演され、その時に購入したものです。

トラネコ隊長をリーダーにしたねこ11匹がピクニック。お花畑では“とってはいけない”の看板。橋は“わたってはいけない”の看板。さてさて11匹のねこはどうするのでしょうか??

そして楽しいピクニックの途中 お化けウヒアハに捕まってさあどうしよう!11匹は皆で考え・・・。

素直に子どもも親も楽しんでもらえる一冊です。大人もいたずら大好きだった子どもの気持ちに戻って読んでみてください。

やってはいけないことをやっちゃう時の楽しさ、でもやっちゃったあとにどうなるか、などなど、いろんなメッセージは込められていると思いますが、そんなことは構わずとにかく楽しく読んでください。気に入って何度も読むことで子どもは自然といろんなことを感じていきます。それが絵本の楽しさです。

11匹のねこたちは皆明るいキャラ、そしてお化けのウヒアハもなぜか憎めないキャラクターです。

私は場面を盛り上げるために絵本には“とってはいけない”と書いてあるところを“とってはいけにゃーい”と読んでいます。(クラルテさんもこの口調でしたし・・・)

本当は絵本は一字一句正しく読むべきものですが、気持ちがもりあがってきたらちょっと読み方を変えてもいいかな?なんて思っています。

ぐりとぐらの歌におうち毎のメロディがあるように、おうちごとにいろんな読み方があっていいと思いませんか?

とにかく、11匹のねこの大冒険が楽しい一冊です。他の11ひきシリーズもあわせて一度トライしてみてくださいね。

人形劇団クラルテさんですが、銀河鉄道の夜、あらしのよるに、おまえうまそうだな・・・などなど本格的な作品を舞台で表現されている人形劇団です。来年のお正月は『ペンギンたんけんたい』のようですね。楽しみにしています。

私たち一家は『スーホの白い馬』『11ぴきのねこ ふくろのなか』を見させていただきました。幼稚園にも依頼があれば来てくださるようですよ。

人形劇団クラルテ←こちらもご覧ください

読んであげる目安 4歳から

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2006年10月 1日 (日)

どうぞのいす

作 香山美子 絵 柿本幸造 ひさかたチャイルドPhoto_24

発刊年1981年 1050円

うさぎさんが椅子を作りました。自分が作っためじるしに椅子に短いしっぽをつけました

どうやって使おうかな?? いい考えがある。 と、たて看板を作って大きな木の下に椅子をおきました

『どうぞの椅子』

最初にやってきたロバさんはたくさんのどんぐりの入ったかごを背中に背負っていたので『どうぞの椅子』をみて喜びました。

おや なんてしんせつないすだろう

ロバがどんぐりのかごを『どうぞの椅子』に置いて木陰で一眠り・・・すやすや(ロバさんが座るにはちょっと小さすぎたんでしょうね)

次に訪れたくまさんはどんぐりが置かれた『どうぞの椅子』をみて、どんぐりを食べていいと勘違い。すっかり食べてしまいました。

でも

からっぽにしてしまっては あとのひとにおきのどく

と自分のはちみつを『どうぞの椅子』に置いていきました。次にきつねが訪れリスが訪れ・・・。

文句なくやさしい気持ちになれる本です。

私は絵本を通じてなにかはっきりと子どもに教えたいと常々思っているわけではありません。ただ純粋に楽しむこと、絵本でもなんでもいいんだけれど、何か大好きなものを娘たちに持っていてもらいたい、それが絵本ならいいな、と思って絵本を読み聞かせしています。

だからこの本や他の本を読んで“やさしい気持ち”の子どもになれますように・・・と強要したり期待したりしているわけではありません。

でも、この本は読み手が何も教えなくても聞き手である子どもたちは“やさしい気持ち”“思いやりの気持ち”を感じるのではないでしょうか。そして読んでいる人もやさしい気持ちを感じる・・・明日からもまたみんなにやさしい気持ちでいられたら・・・と思う。誰かが何かを教えるのではなく、ともに幸せな気持ちを共感できる・・・それが絵本です。

やさしい顔をした動物たちの絵からもそれは伝わってきます。

また文章も流れがよく、小さい子どもには心地よく感じます。

絵本を読んでまた一つ心にやすらぎを・・・そんな一冊です。

ちなみに同じコンビの作品『もりのおくのちいさなひ』がうちの娘にとっては先に読んだものでした。Photo_23

1歳~2歳にかけて、毎日のように寝る前に読んでいたので実は私は文章を暗記しているくらいです。

『どうぞの椅子』に出てくるきつねさんやりすさんも登場しますよ!こちらは動物たちとおじいさん・おばあさんの心温まる交流のお話・・・冬にオススメの一冊です。

読んであげる目安・・・3歳から

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2006年9月26日 (火)

こんとあき

林明子作 福音館書店 Photo_22

発刊年 1989年 1365円

“はじめてのおつかい”“あさえとちいさいいもうと”“いもうとのにゅういん”の絵を描かれている林明子さんの作品です。

文句なしに、子どもはこの本が大好き  『こんとあき読んで~』どこからともなく本を持ってきます。

冒険、大切なぬいぐるみ、色々なハプニング、海、おばあちゃん・・・どれも子どもが大好きなもの

さて、お話は 『こん』という名前のぬいぐるみが赤ちゃんのお守りをするために砂丘町からやってくるところからはじまります。

こんは一目見たときからあきちゃんという名の赤ちゃんが大好きになりました。

よだれをこぼされても、ひこずられても、こんとあきはいつも一緒。

とうとう腕がちぎれてしまってこんは砂丘町のおばあちゃんのところに腕を治してもらいに出かけます。

まって~わたしも行く! とあきちゃんもついていきます。

小さな女の子とぬいぐるみの珍道中。切符を買ってお弁当を買って、そんなことは全部こんがやってくれます。“あきちゃん大丈夫だよ”色々引っ張って導いてくれるこん 本当に頼りになるお守りです。がんばれ、こん!

駅について“どうしても砂丘をみてみたい”というあきのために二人は砂丘に行きます。

そこでこんが犬にさらわれて、あきは必死で探します。

ここでようやくあきがこんを助ける・・立場が逆転します。

大切なものを助ける、という一つ大きな階段を上ります。

最初は寝ていてあやしてもらうだけのあきちゃんがこんを助ける、一生懸命走って、走ってこんを探し、こんを見つけ、こんをおぶって家に向かう。がんばれあきちゃん!

あきにおぶわれてもこんは小さな声でいいます  

だいじょうぶ だいじょうぶ

でも、ずーっとそばにいてあきを守っているこん・・・その存在があったかく、この本を読む人すべてにその大切な気持ちは伝わるでしょう。

だいじょうぶ、という言葉はきっと魔法の呪文かもしれません。その言葉を言ってくれる人がそばにいること・・・とてもすばらしいことです。

最後に出てくるおばあちゃんはこれまたとてもやさしくあったかそうで、日本のおばあちゃん、という感じです。

なんでも林明子さんのおばあちゃんは鳥取(砂丘があるのはご存知ですよね)に住んでおられたらしく、きっとこの絵に出てくるおばあちゃんは本当のおばあちゃんなのかもしれません。

コケテッィシュで必ずあきを守ってくれるぬいぐるみのこん、冒険が大好きな女の子あき、その二人の楽しい旅の光景が林明子さんのやさしい、きれいな絵に描かれています。

読んでいる大人も幸せになれる一冊。子どもの頃に大切にしていたものを思い出すかもしれませんね。

そしてつぎのつぎのひ、こんとあきは、うちへかえりました。よかった!

最後は一件落着です、ハッピーエンドが気持ちいいですね。

おまけで表表紙と裏表紙にはこんのぬいぐるみを作る型紙もついています。いつか作らないと!!

読んであげる目安 3歳から

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2006年9月23日 (土)

てん

ピーター・レイノルズ作 谷川俊太郎訳 あすなろ書房Photo_21

発刊年2004年 1365円

お絵描きの時間 苦手で何も画用紙にかけないワシテ どこにでもいそうな女の子です。

そこで先生にちっぽけな点を描いてみるように言われた。

そして『ねえ、サインして』

次の日、その点だけの絵はきれいな額縁に入れられて教室に飾ってあった。

もっといろんな点が描けるわ・・・とたくさんの点を描き始めるワシテ。

たくさんの種類のてんが、たくさんの色のてんをワシテは描き続ける。どんどんどんどん膨らむ想像力。。

子どもの持っている力を伸ばすとき、先生がどう導いてくれるかが影響しますね。

“ちゃんと描きなさい・・こう描きなさい”と命令口調で言うより“それって~~だよね”“こうやってみたら?”と問いかけや提案をしてみる。

教える・教えられるという関係ではなく、きちんとお話できる関係が好ましいですね。

そして、親子の関係も、きちんとお話できる。子どもが必要としているときに必要な言葉をかけてあげる。

この絵本でお絵描きがちょっと苦手だったあるお友達の子が絵描きをするのが好きになりました。たくさんの点、豊かな色合いの絵本です。訳は谷川先生ですが、先生の台詞、ワシテの台詞、とてもいい味を出しています。

すごく苦手なことをあるちょっとしたきっかけで克服できることは、子どもにとってはすごく幸せなこと。でもあえて子どもが不得意であることは苦手じゃなくて、まだドアを開いていないだけ・・・といいたい。

親が思っているより子どもの可能性というのははてしないもので・・・今こういう状況だからきっとこうに違いないと親が決め付けてしまうと、それがかえって子どもの可能性をせばめてしまうそうです。苦手なことを克服ではなく、新しく得意なものを見つける力が子どもには隠されているのです。そしてそれをほんのちょっとしたきっかけを与えてあげられるのはまわりにいる友達かもしれないし大人かもしれません。

子どもの未来を信じてあげましょう。

読んであげる目安 3歳から

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2006年9月12日 (火)

リサのいもうと

アン・グットマン作 ゲオルグ・ハレンスレーベン絵 石津ちひろ訳Photo_16 

ブロンズ新社 発刊年2001年 1050円 

妹が生まれたちっちゃいお姉ちゃんへ・・・

リサはお母さんが妊娠してからずっと不機嫌・・・バスにだって乗り遅れるしシーソーにも乗れないし。

赤ちゃんの名前を考えた・・・女の子だったらゴミバコ 男の子だったらゴキブリ

生まれた赤ちゃんは女の子でした。名前はリラ、家族みんなは赤ちゃんにばかり気を取られてリサは不機嫌でしたが・・・“リラってリサにすごくにてるわ。とくに はななんてそっくりじゃない?”と言われてから心境に変化が。

赤ちゃんが生まれるとお母さんはもちろん赤ちゃんにつきっきり、他の家族も赤ちゃんにチヤホヤ・・・まだまだ小さいお姉ちゃんには楽しくないことばかりですね。それでもふとしたきっかけで、やっぱりお姉ちゃんと赤ちゃんは仲良くなれるものなのです。

はじめてだっこしてみて、

うーん なんていいにおいなの

ほんとに、赤ちゃんっていいにおいなんですよね。

普通のおうちに赤ちゃんが来た様子、お姉ちゃんであるリサの微妙な気持ちの変化、そして赤ちゃんってやっぱりみんなに愛されるために生まれてくるんだ・・・なんてほのぼの感じる絵本です。リサの台詞がとってもおもしろくて、“ああ、そうそう子どもってそういうこというよね~”と共感したり笑ったり。

じーっとリラをみつめるリサの目がとてもかわいい。『お姉ちゃんも赤ちゃんもみんな大好きだよ』『小さいお姉ちゃん頑張れ!』と読んでいる親も癒される一冊です。

読んであげる目安 3歳から

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2006年9月 4日 (月)

まゆとおに やまんばのむすめ まゆのおはなし

富安陽子文 降矢なな絵 福音館書店Photo_11

2004年こどものとも傑作集 840円

ちっちゃくてかわいい女の子まゆが山の中で鬼に出会います。鬼はまゆを食べちゃいたいな~と思って自分のおうちにつれて帰り、木をひろって薪にしたりお湯を沸かしたり・・。まゆは食べられるとは知らずに鬼のお手伝い・・・さてさて結末はいかに?

まゆはつのが生えている自分よりとてつもなく大きな生き物が鬼だとは知らない。鬼は怖いはず、だけどまゆにとっては怖くない。体はちっちゃくてもまゆは鬼より力持ち、だってやまんばの娘なんだもの。

鬼はこの元気でちいちゃくてかわいい女の子がやまんばの娘だとは知らない。いろいろ手伝ってくれるまゆをえらい力持ちの子だなぁ・・・なんて思いながらもやっぱり食べたい。

最後にまゆのお母さんが出てきますが、私たちがイメージするやまんば(髪の毛が逆立っていて牙が生えているような)からは程遠く、背の高いのっぽおやさしそうなお母さんです。鬼を連れてくるまゆに驚きもせず、いろいろ面倒みてあげたりご飯を食べさせてあげたり。

鬼、やまんばのむすめ、やまんば どれも世間から見れば普通の人・・・からは程遠いですが、それぞれお互いを受け入れ仲良くなっていく姿がほほえましく思えます。

外見、人種、生きてきた道が違ってもみんながお互いを認めあえたらいいですね。やまんばだ、鬼だ・・・と聞くだけで大人は『怖い』と思うでしょうが、先入観のない子どもはそんなこと思わない。大人は子どもがこの本をおもしろそうに読んでいる姿を見て何か思うところがあるのではないでしょうか。

そんな難しいしいことは考えなくても、ただただ単純に山の中を走り回るまゆや、ちょっと間抜けな鬼とのやりとりや、肝っ玉でやさしいお母さん、たくさん食べてたくさん遊ぶことが一番なんだ、みんなのびのび生きている姿が楽しそうだな~ということが読んでいる人にもお子さんにも伝わる絵本だと思います。

絵も『めっきらもっきらどおんどん』『ともだちや』シリーズを書かれた降矢さんのもので、大胆で躍動感あふれるタッチがお話をより一層おもしろくさせています。

読んであげる目安:3歳から

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2006年8月24日 (木)

ごろはちだいみょうじん

中川正文作 梶山俊夫絵Gorohachi  福音館書店

ごろはちだいみょうじん いうても、

かみさんのことやない。

たぬきのはなしや。

なんと・・・関西弁の絵本です。

ある村に、村人から‘ごろはちだいみょうじん’と呼ばれているたぬきがいます。

きつねとちゃうで・・・たぬきや・・・。義理深い几帳面なたぬきです。

日本では古くからきつねもたぬきも私たちの身近な存在でした。

きつねは狡猾であったり、性悪だったり、神秘的なイメージですよね。きつねを題材にした絵本もたくさんありますね。

たぬきは親しみ深い、こっけいであったり、人を騙したりしてもなぜかちょっとぬけてる・・・にくめない。

そんなたぬきを存分に味わえる一冊です。関西弁の文章がたぬきを一層きわだたせています。

絵本講師の勉強をしているとき、中川先生にこの本を読んでいただく機会がありました。

とてもおもむきある話し方で、おもしろくもおかしくもあり、また・・泣けた。

今でもその時の読まれた声はくっきりと脳裏に焼きついています。

この本に限らず、絵本は誰かに読んでもらうのが一番だなぁ・・・と思います。つくづく子どもがうらやましい。だから、世のお母さんにはぜひぜひたくさん絵本を子どもに読んでもらいたいです。

へたくそでも、たどたどしくても、自己流でも、自分が楽しみながらその本に熱中して読んであげる・・子どもたちにとってそのときの事は大人になっても、絵本のあざやかな色彩・お母さんの声とともにその時の空気・匂いまで思い出されるのではないでしょうか。

読んであげる目安 4歳から

また、中川氏の著書が発売されました。Nakagawa

長く絵本とのかかわりを持つ中でのおはなしは、絵本講師のみならず、絵本と親しむ人すべてに読んでもらいたいな。

詳しくはこちらをご覧ください

http://www.holpforum.com/book/n01.html

コメントもよろしければお寄せください。また、どんな絵本がいいの?などお問い合わせはメールでお待ちしています♪

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秋のオススメ・・・14ひきのおつきみ

いわむらかずお 作 童心社Photo_8

皆さんもご存知の“14ひき”シリーズの紹介です。

おとうさん おかあさん

おじいさん おばあさん

そして きょうだい10ぴき。

ぼくらは みんなで

14ひきかぞく

で、はじまるおなじみのお話です。にちなんでおつきみ・・・。

お月見って実際皆さんされたことありますか?私はありません。

子どもの頃よくサザエさんなどでお月見をやっていて、“わたしもやってみたいなぁ”なんて思っていました。

14ひきのおつきみは、いつも住んでいる木のてっぺんにのぼっていきます。

お手製エレベーターやはしごを使って、みんなで木に登り、お月見台を作る。

よいしょ、よいしょ、と、お昼のうちから準備して、夕日・・夜・・月

そこにはとてもゆっくりした時間が流れています。

いつもならがいわむらさんが書かれた木や葉っぱ秋の虫たちのタッチはあたたかい。特に、夕焼けの赤、夕暮れから夜にうつる色のうつくしさ。

おじいさんや小さな子たちのねずみの表情が生き生き描かれています。えっ、そうだ、これってねずみだったんだよね、と思うほど、ねずみたちには親しみを感じます。

下から書かれた木の構図や、皆が木に登っていく絵など、とても臨場感あふれるなぁ・・・

でもやっぱり主役は月ですね。ようやく出てきたまんまるのお月様は輝いていて透明でやさしく気高い。

ねずみたちはお月様に実りを感謝しおつきみだんごを食べてたのしい月見パーティです。

ねずみたちは、そのまま、そこで眠ってしまったのかな??

ちなみにうちの娘はくんちゃんが好きです。私はとっく んが好き。皆さんもお気に入りのねずみちゃんを見つけるとまたそれで違った楽しみもあるかもしれませんね。

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2006年8月18日 (金)

ぐるんぱのようちえん

Photo_1 西内ミナミ作 堀内誠一絵 福音館書店   

汚くって一人ぼっちで時々泣いている象のぐるんぱが自分の居場所を探す旅です。

最初に仲間の動物たちがぐるんぱを勇気付けて送り出してくれるところも印象的です。 ビスケットさん、お皿やさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場、どこへいっても失敗ばかり、でもへこたれずにがんばっているぐるんぱ(時には泣きそうになったりもしますが)

最後にたどりついた場所・・・たくさんの子どもたちがぐるんぱとぐるんぱの幼稚園を必要としていてくれました。子どもたちがいきいきお皿のプールで遊び、靴でかくれんぼ・・・読む人を幸せな気持ちにしてくれます。

読んでいる大人にも、自分の居場所はどこだろう?としみじみ人生を考えさせてくれる絵本です。作者の西内氏もちょうどこの本を執筆する時1回目の転職を終えたばかりで、「これからのわたしはどうなるんだろう?」と不安に思っていたそうです。でも明るい性格なので「一生懸命やっていればなんとかなるさ!」と・・・だからハッピーエンドなんですね。

お母さんになったばかりの西内氏が手がけた本には、やっぱり大変そうなお母さんも出てくる。これから始まる育児という未知の世界への緊張感が伝わってきます。

絵を担当された堀内氏は、大きな大きな象~、なわけですから、絵のタッチはとてもダイナミックです。表紙でじーっとみつめる無垢な象の目が、子どもを・・・大人を・・・ひきつけるのでしょう。

子どもだけではない、大人にも楽しんで欲しい絵本です。

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