あな
1998年こどものとも傑作集 840円
不思議な絵本です。
あな
にちようびの あさ、 なにも することがなかったので、 ひろしは あなを ほりはじめた。
いろんな人があなを掘るひろしを見に来ます。
掘ったあなに入ってみたら、空が青く高く見えました。
あなから出てみて、またひろしはあなを覗いてみます。
そして一日が終わる・・・シンプルなお話。
さてさて、皆さん穴を掘って中に入ったことありますか? ほとんどの人はないと思います。
でも、穴の中に入ったらどんな感じでしょう?
入らなくても、お砂場で小さな穴を掘るだけでも、なんだか落ち着いた気持ちになりますよね。
実は今日伊丹市立美術館で谷川俊太郎先生の講演会があり、楽しいお話を伺いました。
その講演の中で“穴は人間にとって胎内を思い出させるものだ”とおっしゃっていました。
なるほど・・・だから落ち着くのかもしれません。
谷川先生独特の哲学的な文章と、和田誠さんのシンプルな絵が、とてもマッチしている作品です。
絵本を通じて、つめたい土のあの感触・・・静かな空間(これは想像ですが・・・)を感じることが出来ます。
あなを掘るという人間の深層心理の奥に響くことは、子どものアンテナにひっかかるようで、子どもも何度も読んで!となるでしょう。
そして、子どもだけにはもったいない、大人もじっくり読んで欲しい一冊です。
表紙はあなを穴の中から見た絵、裏表紙は地面からあなを覗いて見た絵。
“あな”というからには、奥の深い作品です。
あなたもじっくり穴を掘ってみませんか?
読んであげる目安 4歳から
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